ハイブリッド＆プライベートクラウド ストレージ

クラウド・マイグレーション・リバース：クラウドからの移行

現在、ほとんどの企業がアプリケーションやデータをクラウド環境で運用していますが、コスト、パフォーマンス、セキュリティなどの観点から、オンプレミス型のソリューションに移行する傾向が強まっています。移行は、互換性や事業継続性などの技術的な問題やワークフローの問題によって複雑になることがあるため、効果的な戦略を立てる必要があります。

クラウド・マイグレーションとクラウド・レパトリエーション(回帰)とは？

移行とは、アプリケーションやデータストレージを新しいインフラに再配置するプロセスで、通常はパフォーマンス、セキュリティ、価格などを考慮して行われます。移行には、アプリケーションを変更せずにリフト＆シフトするアプローチと、新しい環境に合わせてアプリケーションのコードを再構築または書き換えるリファクタリングのアプローチがあります。

移行時の課題としては、データのセキュリティと整合性の確保、新しい環境でのアプリケーションの互換性、事業継続性の維持などが挙げられます。

多くの企業がクラウド移行戦略を選択し、システムやデータをプライベート、パブリック、またはハイブリッドのクラウドソリューションに移行しています。一方、クラウド間の移行では、アプリケーションやデータをあるクラウド環境から別のクラウド環境に移行します。大手クラウドプロバイダーは、クラウド移行を管理するためのツールを提供しています。

クラウドのリバースマイグレーションは、クラウドのリパトリエーションとも呼ばれ、アプリケーションを唯一のインフラストラクチャやプライベートクラウドに戻すことを意味します。一般的に企業は、ビジネスコンポーネントの一部または全部を、パブリッククラウドから、より安全で、コンピューティング環境のコントロールが可能なローカルデータセンターに移行します。

IDCの調査によると、パブリック・クラウド・サービスは依然として人気があるものの、パブリック・クラウドからのリパトリエーションは増加傾向にあります。

• 回答者の80%が過去1年以内にパブリッククラウド環境からワークロードを移行しています
• 70％以上の顧客がマルチクラウドを利用していました
• パブリッククラウドソリューションのコストが他のコンピューティングコストよりも高いと認識された場合、リパトリエーションの割合が増加しました
• 運用開始から25年未満の組織は、古い組織よりもパブリッククラウドのワークロードをリパトリエイトする傾向が強いです

オンプレミス（またはプライベートクラウド）とパブリッククラウドの両方を組み合わせたハイブリッドストレージソリューションが登場しています。ハイブリッドストレージは、パブリッククラウドのパフォーマンスや拡張性と、プライベートクラウドやオンプレミスのセキュリティやカスタマイズ性を兼ね備えています。しかし、ハイブリッドソリューションを実現するためには、2つのソリューション（オンプレミスとパブリッククラウド）が相互運用可能である必要があります。

オンプレミス VS. クラウド

オンプレミス・コンピューティング環境は、ユーザーがテクノロジーを所有し、管理するという点で、クラウド環境とは異なる。理論的には、オンプレミスのソリューションは、クラウドソリューションと同じ技術を利用することができますが、消費モデルが異なります。実際には、クラウド事業者が専門的なコンピューティング機器を提供することはほとんどなく、クラウドユーザーは汎用的なツールに頼らざるを得ません。

さらに、政府の規制の中には、機密情報を保護するために、データの保存や運用にオンサイトを使用することを要求するものもあります。政府機関、医療機関、金融機関などの組織は、セキュリティ規制への対応をクラウド事業者だけに頼ることはできません。

一方、パブリック・クラウド・インフラの大規模で分散したネットワークは、冗長性が高く、多くの組織が他の方法では利用できない、より多くのコンピューティングリソースにアクセスすることを可能にします。オンプレミス環境では、一般的に多額の先行投資が必要となり、保守も複雑になります。

なぜ企業は、クラウドからオンプレミスへと移行するのでしょうか？

企業がオンプレミスのソリューションに回帰するのには様々な理由があります。リパトリエーション(回帰)の検討事項には以下のようなものがあります。

• コスト：パブリック・クラウドは拡張性が高く、突然の不定期なコンピューティング・パワーの需要に対しては安価な選択肢となりますが、年間を通じて大規模に展開する場合には必ずしもコスト効率が良いとは言えません。
• データとセキュリティの管理：パブリッククラウドでは、構成管理が複数のユーザーに分散されるため、セキュリティリスクが生じます。バケットの設定ミスは、セキュリティ問題の一般的な原因です。一方、オンプレミスのソリューションでは、通常、管理が一元化され、セキュリティ境界が明確に定義されており、データの管理が強化されています。
• パフォーマンス：パブリッククラウドのパフォーマンス（クラウドとの間のデータ転送速度）は大きく変動し、利用可能なWAN帯域幅とクラウド事業者のその時点での全体的な作業量に依存します。
• ベンダーロックイン：クラウド事業者に過度に依存してしまう可能性があります。システム全体が単一のベンダーのツールを使って開発されている場合、新しいベンダーへの切り替えが困難になり、同じサービスに対してより高い料金を請求されるようになると、選択肢が狭まってしまいます。

出口戦略の立て方

出口戦略の構築のために

• インベントリの作成：新しいインベントリリストを作成し、すべての資産を確認して見落としがないようにします。クラウド・インフラにおけるアプリケーションの依存関係をすべてマッピングし、データのすべてのインスタンスを特定します。
• SLAを理解する：断捨離や新しいベンダーへの切り替えの過程では、サービスレベルアグリーメント（SLA）を遵守する必要があります。SLAを再確認し、自分の義務を把握しておきましょう。
• 小規模から始める：システム全体に移行する前に、まず小規模なアプリケーションを移行します。
• テストと再テスト：可能性のあるソリューションの結果をテストすることで、選択肢を検討し、適切な導入モデルを選択することができます。移行時の混乱を避けるため、事前にテストを行います。
• リソースの再配分：候補となるソリューションの運用性、セキュリティ、耐用年数を慎重に検討し、資産の統合や優先順位の再調整が必要かどうかを評価します。移行に必要な時間と費用を計画する必要があります。

クラウド対応のストレージデバイスが必要な理由とは

リバースクラウドマイグレーションを実施する際には、クラウド対応のストレージデバイスを使用することが重要です。これにより、ハイブリッドソリューションにおいて、クラウドとオンプレミスのシステムをシームレスに統合することができます。Cloudianのようなソリューションを使えば、データをオンプレミスに移しても、クラウドでの作業を継続することができます。クラウドベースのストレージサービスと互換性があるので、アプリケーションはクラウドのデータにアクセスし続けることができます。Cloudianは、パブリック・クラウドのスケーラビリティを自社のプライベート・データセンターで再現します。