本記事は2021年5月14日のET(Education Technology)の抄訳版です

https://edtechnology.co.uk/comments/how-the-right-data-storage-can-allow-universities-to-thrive-in-the-online-learning-era/

 

Neil Stobart
Vice-President, Global System Engineering, Cloudian

大学などの高等教育機関データストレージとして、人気の高いパブリッククラウドが必ずしも最適であるとは限りません。

 この1年で、私たちは教育の未来を垣間見ることができました。現在、多くの大学では、ビデオ会議、コラボレーションツール、データ共有プラットフォームを使用したリモート教育に移行しています。

教育現場は未だ混乱が続いているにもかかわらず、学習の継続と教育方法の改善が可能になりました。しかしその一方で、生成されるデータの量と種類が急速に増加し、ファイルへのリモートアクセスが必要になったことで、教育機関の課題も増えています。

たとえば、ビデオ会議システムで行われる授業は、記録を安全に保存する必要があります。また、ライフサイエンスやメディアを中心とした科目では、大容量のデータファイルを作成して学生と共有する必要があるため、ITインフラストラクチャに大きな負担がかかります。

これらのプラットフォームはリモート教育を可能にするために作られていますが、大学が今後数か月および数年単位で成功するためには、データ管理をサポートする技術とソリューションに対応しなければなりません。

パブリッククラウドで解決できるのでしょうか?

こうしたデータ量の増加に対応して、多くの大学ではパブリッククラウドの利用を増やしています。これは主に、データ共有に依存する特定のアプリケーションに役立つことが多く、学生や教職員が接続レベルの異なるさまざまな場所からログインする必要があるなど、学生を対象とした状況で有効です。しかし、考慮しなければならない落とし穴もあります。

たとえば、パブリッククラウドは段階的な料金体系を採用しており、使用量が一定以上になるとコストが高くなる可能性があります。また、データの移行の際に帯域幅の需要が増加して追加料金が発生することがあります。特にパブリッククラウドのデータを戻す際(データをクラウドから取り出すこと)の料金は、特に高額で、予測不可能なコスト負担になります。そのため大学は、予期せぬ多額の請求書に不意をつかれてしまうかもしれません。

「パブリッククラウドのデータを戻す際(データをクラウドから取り出すこと)の料金は、特に高額で、予測不可能なコスト負担になります。そのため大学は、予期せぬ多額の請求書に不意をつかれてしまうかもしれません。」

ヘルスサイエンス部門がその典型例です。遺伝子データなどの非構造化データを大量に保存し、分析のためにすぐにアクセスできなければなりません。これらのデータをパブリッククラウドから移行するにはコストがかかるため、すぐにコストが膨らんでしまいます。

また、セキュリティの問題も考慮しなければなりません。パブリッククラウドを使用する場合、データの安全性の確保を事実上第三者に依存することになります。パブリッククラウドは本質的に安全ではないにもかかわらず、データは大学の管理下にありません。つまり、今日の深刻化するセキュリティの脅威からデータが適切に保護されているか、知るすべがない状態です。

「パブリッククラウドは本質的に安全ではないにもかかわらず、データは大学の管理下にない状態です。」

最後の要素はパフォーマンスです。パブリッククラウドはオフサイトに配置されているため、そこに保存されているデータへのアクセスと取得には、常に遅延と帯域幅の問題が伴います。また、たとえSLAが厳格でも、障害発生のリスクが完全になくなることはありません。

オンプレミスのオブジェクトストレージが最良
の選択

これらの課題は、大学が大規模なデータの増加を管理する上で、パブリッククラウドが果たすべき役割がある一方、パブリッククラウドに過度に依存することは間違いであることを示しています。

代わりに、オンプレミスのオブジェクトストレージをITインフラの中核に配置する方が、大学にとって良い結果をもたらすでしょう。パブリッククラウドストレージと同様に、大量のデータを管理およびアクセスするためのスケーラビリティと柔軟性を提供し、コスト、セキュリティ、パフォーマンスの面でも優れています。もちろん、オンプレミスのオブジェクトストレージでも、インフラを拡張してパフォーマンスのニーズを満たすために適切な投資が必要ですが、オンプレミスのストレージを使用することで、財務上の問題を心配する必要がなくなります。

必要に応じてインフラを拡張しながら、パブリッククラウドデータへのアクセスによる劇的なコストの増加を回避できます。

また、オンプレミスのオブジェクトストレージは、パブリッククラウドより優れたコントロールを提供します。

セキュリティとコンプライアンスの責任は大学側にあり、教職員や学生がリモートでアクセスしている場合でも、データは大学の管理下に置かれるので安心です。

最も重要なことは、セキュリティ標準を維持できることです。たとえば、オンプレミスストレージにアクセスできる管理者の数を慎重に制御することができます。データストレージ基盤をオンサイトで運用することで、悪意ある第三者にさらされるリスクが軽減され、大学はデータを安全に保つためにサードパーティに依存する必要がなくなります。

「ストレージインフラストラクチャをオンサイトで運用することで、悪意のある第三者にさらされるリスクが軽減され、大学はデータを安全に保つためにサードパーティに依存する必要がなくなります。」

 データの量と利用用途が増え続ける中、大学のITチームにとって、最終的にデータストレージ基盤の選定が重要な課題になるでしょう。効果的な戦略は、パフォーマンス、セキュリティ、コスト効率など、あらゆる要素を考慮したものでなければなりません。オンプレミスのオブジェクトストレージは、パブリッククラウドで発生するレイテンシ(通信遅延)の問題を回避するだけでなく、増大するワークロードを安全に管理し、総所有コストを抑制するのに役立ちます。これにより大学は、オンライン教育を可能な限り高品質で提供し続けることができるでしょう。

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